自民政治資金パーティー「開催」「延期」内部で物別れ 横浜市連と所属県議が協議 市連執行部が開催譲らず:東京新聞 TOKYO Web

 自民党横浜市連は7月11日に予定通り政治資金パーティーを開くことを決めた。市連所属の神奈川県議が延期を求め、22日に市連執行部と協議したが、物別れに終わった。

 関係者によると、市連執行部は「開催に問題はない」と譲らなかったという。

 提案が聞き入れられなかったことを受け、県議側は1人5枚のチケット販売ノルマを巡って対応を検討。20人全員が返還するという強硬論も出たが、市連との関係がこじれるという意見もあり、判断を個人に委ねることになった。「チケットを5枚、市連に返却する」「自分の分を1枚だけ買い、残り4枚を市連に返却する」「5枚売り切る」の3パターンに分かれそうだという。

 県議の間で開催への慎重論が浮上したのは、党派閥の裏金事件の舞台となった政治資金パーティーへの世論の反発を懸念したからだ。さらに、市連への影響力を保つ菅義偉前首相が「政治とカネ」問題で責任を取らない岸田文雄首相との対立を強める中、「悪目立ちするのは避けるべきだ」という判断もあった。

 これに加え、パーティー当日は県議会自民党会派による各業界団体へのヒアリングが予定されていたにもかかわらず、事前に相談がないまま日程が決まったことも不満を募らせる一因となった。県議からは「チケットを売った人に(パーティー会場で)会えない。売るモチベーションが上がらない」との声が上がっていたという。

 市連は例年、この時期とは別に、秋に「感謝の集い」と題して収入1000万円以上の特定パーティーを開いている。だが、ある地方議員は「今回、開催を強行したら、秋はできないだろう」と話す。(志村彰太)