スタンレー電気は、技術研究所の新棟を竣工したと発表した。
新棟は同社の研究開発を支える中核拠点として、2026年2月より稼働開始予定とのことだ。
神奈川県横浜市にスタンレー電気が「技術研究所 新棟」を竣工
同社は、近年需要の高い自動車領域での安全性向上のための精密な光制御、生活・ヘルスケア領域でのウイルスや細胞など極めて微小な対象への技術的アプローチなどの社会的ニーズに対応するため、ナノレベル(1ナノメートル=100万分の1ミリメートル)での成膜・加工・分析を可能にする先端設備などを新棟に導入。
あわせて、研究開発領域へのデジタルトランスフォーメーション(DX)の活用を進めながら、これまでにない精度と機能を持つ光デバイスの開発を加速していくという。
また、光技術のさらなる進化と研究開発の効率化を目指し、これまで複数の拠点に分散していた研究開発機能を集約。
新棟では、実験室のワンフロア化や創造性とコミュニケーションを高めるオフィス環境を整備することで、テーマや部門の枠を越えた自由な発想と知識の融合を促し、よりスピーディーで革新的な研究開発の実現を図るとしている。
なお、企業・大学・スタートアップとの共創を推進するエリアも設け、オープンイノベーションを促し、社会課題の解決や新しい価値の創出に挑戦していくとのことだ。
■新棟の概要
所在地:神奈川県横浜市青葉区荏田西1-3-1
総工費:約60億円
着工:2024年3月(旧棟解体:2023年6月)
竣工:2025年11月
稼働開始:2026年2月予定
敷地面積:6,817平方メートル
建築面積:2,631平方メートル
延床面積:8,529平方メートル
建物構造:RC造 地上5階建て、高さ約20m
環境配慮設計:太陽光発電(想定出力:75kW)、高効率空調、断熱構造などで約400t-CO₂/年を削減
主な研究開発テーマ:
・次世代光源の創出(PCSELの開発、VCSELの進化など)
・モビリティの安全につながる要素技術(悪天候・死角の克服など)
・光で水や空気を無害化する深紫外除菌技術
・高齢化や人口減少、高度情報化社会に対応した生活・ヘルスケア分野への光ソリューション
・カーボンネガティブ、サーキュラーエコノミー関連