横浜にスポーツのチャンスを – IAG Japan

横浜にスポーツのチャンスを – IAG Japan

メルコリゾーツ&エンターテインメントが設計した横浜の統合型リゾートは、日本の大手テニス団体を含む多くの主要スポーツ団体の本拠地として計画されていたことが、IAGの取材でわかった。

今月、横浜市の山中竹春新市長がIR誘致を正式に取りやめたことで、メルコともう一つの候補であるゲンティン・シンガポールは、事業者公募への参加を取りやめざるを得なくなった。

この決定により、近い将来のIR開発の可能性がなくなっただけでなく、各事業者が地域社会と協力して行ってきたさまざまな取り組みも終了した。

メルコはIAGに対し、同社のブランドアンバサダーであるテニスの大坂なおみ選手の意見を取り入れ、IR内にスポーツセンターを建設する計画について話してくれた。大坂選手は、子供の頃も今も、テニスだけではなくさまざまなスポーツをするのが好きなので、多様なスポーツの選択肢を提供することが大切だと語っていたとのこと。

スポーツセンターには、地元チームの練習場となるサッカーグラウンドが併設される予定だった。また、日本の大手テニス団体が、このスポーツセンターをテニスの練習場にしていたかもしれない。

同社は2019年9月、林文子前市長の誘致を明言したことを受けて横浜IR事業者公募に正式に参加し、それからの2年間で、地域社会とのつながりを目指したさまざまな取り組みを行ってきた。

まず、京都文化協会とのコラボレーションでは、着物とその文化的価値を認識してもらうために、美術館に展示されるレベルの着物23点を製作。緻密な技術を用いて作られたこれら着物のうち13点は、東京で開催された展示会に出展され、多くの人々やメディアの注目を集めた。

また、多くの訪問客を集め、地域の観光と経済成長を支援することを目的とした「スマートサマー」というイベントを横浜の元町で開催したりもしていた。

同社のコミュニティ活動の基盤となる取り組みの一つに、プロサッカーチームの横浜F・マリノスへのスポンサーシップがある。この関係は時を経て発展し、今年3月には、市内の特定の商店街を支援するパートナーシップ契約を締結した。

メルコがパートナーシップ契約を結ぶ横浜F・マリノス

「Stay Strong Together ホームタウンの商店街を応援しよう!」プロジェクトでは、横浜F・マリノスのホームゲームに5軒の商店街を招待。同社が制作した商店街支援ビデオをスタジアムの大型スクリーンに映し出し、参加した商店街を紹介した。同プロジェクトは無料チケットやサイン入りグッズのプレゼント、ソーシャルメディアでの販売促進などを行い、新型コロナウイルスの影響を受けている地域での買い物の選択肢を増やすことを目指したもの。

同社は提案書の中で、街の一部となり、意識レベルを高め、地域の人々とつながりたいという願望を繰り返し表明している。ある幹部はこう述べていた。「我々は、外から入ってきて物事を指示するような外国人にはなりたくなかった」。

同社はIR内に「バンブー・ビレッジ」と呼ばれる飲食専用スペースを設け、地元レストランが出店できるようにするほか、地元の小売店向けにも同様のコンセプトを展開していく予定だった。

メルコリゾーツ&エンターテインメントのエヴァン・ウィンクラー社長は、IAGに次のように語っている。「我々が常に他社より際立っていることの一つは、共有する世界への影響を気にかけていることだ。現地のやり方を細かく理解し尊重する」。

「当局や地域組織との連携やパートナーシップはその中核となる原則であり、それぞれの地域に合わせた取り組みでこれらの関係の強化に投資している」。

「当社が10年前に日本での活動を開始して以来、地域社会の良きパートナー、良き力となることを目指してきた。その間、当局、地元企業、慈善団体、教育機関、地域団体と協力して、地域の特定の問題やニーズに対応する独自のプログラムを作成してきた」。

「地域のサプライヤーや中小企業の経済的繁栄、横浜F・マリノスやブランドアンバサダーの大坂なおみ氏によるスポーツや健康の促進、日本の文化や遺産の紹介など、横浜や日本の地域社会のパートナーと築いてきた友情に感謝している」。